ここネット通信 4月号
ここネット通信 4月号
ニュースレター:小野省子さんの詩
ここネット 副会長 中川浩一
昨年度、山口県の研修で久しぶりに松居和先生のお話をお聞きしました。あっという間の2時間、笑いあり涙あり、あらためて「子育て」の原点を学び合いました。そのお話しの中で小野省子さんの詩集「おかあさん、どこ」を頂きました。聞くと自費で印刷し講演会でお配りしているとのこと。手のひらに収まりそうな小さな詩集ですが、読むととても感動します。小野省子さんの『子育て支援センター』という詩を紹介します。
『誰も知りあいが いない町を
知り合いをさがして 黙々とあるいていた
首がすわらない娘を ベビーカーにのせて
公園にむせかえるようなセミの声が
こわれた機械の雑音に聞こえて
真夏のアスファルトとは
ゆがんだチューインガムのようで
ただ 誰かと話しがしたいと思った
その時 「おひさまサロン」と書かれた看板の向こうで「よかったら遊んで
いきませんか」と手をふる人がいた「だれでも、遊べる場所なんです」
私はその晩 この町に
私を知っている人がいて
私の娘を知っている人がいる
そう思うだけで うれしくて眠れなかった』
子育て支援センターは、いつでも遊びに来られる親子の居場所です。そこには、どんな話しでも聞いてくれるスタッフと「そうだよねぇ、気持ちわかるわぁ」と共感し合える仲間がいます。そして側にある保育室や園庭からはイキイキと活動する子どもの姿を見ることができ、何かあれば保育士や看護師、栄養士の力を借りることもできます。
『そう思うだけで うれしくて眠れなかった』というお母さんが一人でも多く増えてくれることが「ここネット」の使命です!お母さんと一緒に遊びに来ていた子が、30年を経てわが子を連れ、再び子育て支援センターに遊びにきてくれました。今年度もどんな親子との出会いがあるか楽しみです。